この夏、世界10カ国から13名のアーティストがStudio Kuraに集まりました。
約1カ月にわたり糸島で暮らし、海や田園風景を歩き、地域や日本文化に触れながら、それぞれの表現を深めてきました。8月22日(土)・23日(日)の2日間、その滞在から生まれた作品をStudio Kuraで発表します。
絵画、写真、アニメーション、パフォーマンス、イラストレーション、ミクストメディア、ウェアラブルアート。異なる文化や経験をもつ13名が、糸島で見つけた風景、感覚、物語、そして自身の変化を作品にしています。
開催概要
- 日時: 8月22日(土)・23日(日)
- 時間: 11:00〜17:00
- アーティストトーク: 8月22日(土)14:30〜
- 入場料: 無料
- 会場: Studio Kura
- 住所: 〒819-1613 福岡県糸島市二丈松末586
- 参加作家: 10カ国13名
作品と、アーティストたちが糸島で過ごした時間に会いに、どうぞ気軽にお越しください。
13名のアーティストと作品
01 Florencia Aise / フロレンシア・アイセ(Argentina)
“TADA IMA” — Painting
「次の瞬間」を待ちながら生きることをやめ、今この瞬間に存在することをテーマにした絵画作品です。
富士山を見つめる猫、両手で生命を抱く女性、出会い互いを認め合う二つの身体。一見異なるイメージを通して、普段なら見過ごしてしまうつながりやまなざし、身体、動物、風景、瞬間を捉えようとします。

This exhibition stems from a decision to stop living in anticipation of the next moment. Through images of people, animals and landscapes, Florencia explores presence, freedom and the possibility of inhabiting the moment just as it is.
02 Mira-Alina Schmidt / ミラ=アリーナ・シュミット(Germany)
“Mu” — Performance
ドイツ出身のパフォーマンス/演劇アーティスト、Mira-Alina Schmidtは、Studio Kuraでの滞在中、「沈黙」についてリサーチを行いました。
海岸で拾ったペットボトルと自身の身体を用い、秩序と無秩序、コントロールと迷いの間に生まれる状態を探ります。観客と空間を共有しながら、「何も起きていないようで、あらゆる可能性が存在する」沈黙の緊張感を表現します。

During her stay at Studio Kura, Mira-Alina Schmidt has been researching silence as a form of presence. Using her body and plastic bottles collected from the beach, she explores order and disorder, control and uncertainty.
03 Saskia Kretzschmann / サスキア・クレッツシュマン(Germany)
“Fragments of Summer” — Illustration
青々と広がる田んぼ、虫たちの音、暑さの中を通り抜ける風、提灯や花火に照らされた祭りの夜。日本の田園風景にある夏を、子どもの頃の記憶やノスタルジーと重ねて描くイラストレーションシリーズです。
作品には、無邪気な好奇心や友情、何ものにも縛られず、毎日新しい冒険を待っていた頃の感覚が込められています。

Fragments of Summer portrays summer in the Japanese countryside through the lens of childhood nostalgia, capturing rice fields, insects, summer heat, gentle winds and lively festival nights.
04 ChaeYeon Hong / チェヨン・ホン(Korea)
“Vivid Surfaces” — Painting / Mixed Media
日本の夏に出会った、見慣れない風景から始まった作品シリーズです。強い日差し、鮮やかな植物、海や浜辺の色彩と感覚を、段ボール、貝殻、木などの素材へ移し替えています。
浜辺で拾った貝殻や、ノミで直接彫った木も使い、「見ること」「歩くこと」「発見すること」の経験を作品の表面に残します。

Vivid Surfaces began with the unfamiliar landscapes ChaeYeon encountered in Japan. Working with cardboard, shells and carved wood, she transforms seeing, walking and discovering into vivid surfaces.
05 Michelle Mandoki / ミシェル・マンドキ(Mexico)
“In the current of changing things” — Painting / Mixed Media
糸島の静けさ、海や田んぼ、無数の緑と青、蝉の声、トンボの姿から受けた感覚をテーマに制作しました。
水彩やアクリル、多量の水を使い、キャンバス、木、紙が色や水を吸収して変化するプロセスを作品に取り入れています。周囲の環境を受け入れ、その体験によって自分自身も変化していくことを、制作と重ね合わせます。

Inspired by Itoshima’s silence, sea, rice fields, colors and sounds, Michelle works with watercolor, acrylic and water on canvas, wood and paper, exploring openness and change.
06 Diego Muñoz Olivar / ディエゴ・ムニョス・オリバル(Mexico)
“VISUAL MATTERS” — Poster / Graphic Design
北海道から九州まで、日本全国を旅した1年間の経験をもとに制作されたポスターシリーズです。
街にあふれる看板、ロゴ、彫刻、ドローイングなど、日本の「視覚的なノイズ」を記録するとともに、日本で出会ったデザイナーやアーティストへオマージュを捧げます。

VISUAL MATTERS documents one year of traveling across Japan. Through posters filled with signs, logos, sculptures and drawings, Diego celebrates the visual noise of Japanese streets.
07 Anushka Balyan / アヌシュカ・バルヤン(India)
“Where the Sea Opens / 海のひらくところ” — Painting / Illustration
糸島・二見ヶ浦の夫婦岩の間、その深い海の底に龍神の海中宮殿「竜宮城」が存在するというイメージから生まれました。
日本の民間伝承と糸島の海辺の風景から着想を得て、海を現世と霊的な世界をつなぐ境界として描きます。神話、自然、民間伝承が溶け合う、人間の目には見えない世界を想像したシリーズです。

Where the Sea Opens imagines Ryūgū-jō beneath the waters between Futamigaura’s sacred couple stones, exploring the sea as a threshold between the living and spirit worlds.
08 Juliana Ronchesel / ジュリアナ・ロンシェセル(Brazil)
“See the Wind, Hear the Silence” — Mixed Media
風や静寂、時間、身体、記憶をテーマに、ゆっくりとした観察を促す作品です。
糸、布、紙、木などを反復的な手作業で結びつけ、目に見えない風が素材を動かし、音や一時的な痕跡を残す空間をつくります。普段は見過ごしてしまう小さな変化へ意識を向けます。

See the Wind, Hear the Silence invites us to slow down and notice subtle movements, sounds and transformations through thread, textiles, paper, wood and repetitive gestures.
09 Nicolas Verdier Ladouce / ニコラ・ヴェルディエ・ラドゥース(France)
“Mauricel in the City” — Animation
紙に印刷したイメージへ手描きを加えて制作された、どこか物悲しい雰囲気をもつSF短編アニメーションです。
地球にある無人の街を訪れた一人の宇宙人の物語。今回の展示では、Studio Kuraでの1カ月の滞在中に制作したアニメーションのシークエンスを発表します。

Mauricel in the City is a melancholic science-fiction animated short printed and drawn on paper, following an alien through a deserted city on Earth.
10 Blake Hobson-Dimas / ブレイク・ホブソン=ディマス(Canada)
“Nobody’s Baby / Everybody’s Girl” — Wearable Art
バンクーバーを拠点に活動する舞台芸術家Blake Hobson-Dimasが、Studio Kuraでの滞在をきっかけに取り組んだウェアラブルアートです。
メキシコの伝統衣装「チャイナ・ポブラナ」から着想を得たスカートとブラウス、日本の着物をBlakeなりに解釈したニット作品を発表します。家族、アイデンティティ、成長、そして手を動かしながら自分を見つめる時間を表現します。

Blake presents two wearable artworks inspired by the China Poblana and the Japanese kimono, exploring family, identity, personal growth and self-reflection through making.
11 Yelitza Maldonado / イェリッツァ・マルドナド(USA)
“Evolution” — Painting
好奇心や経験、慣れ親しんだ場所から一歩外へ踏み出すことで生まれる「成長」をテーマにした絵画作品です。
糸島で新しい技法や経験、周囲の環境から影響を受けながら制作した色鮮やかな作品には、観察、感情、発見、個人的な成長への内省が込められています。

Evolution explores growth through curiosity, experience and the willingness to step beyond what is familiar. Each painting reflects observation, emotion, discovery and change.
12 Jamieson Moore / ジェイミソン・ムーア(Australia)
“Where the Stream Begins” — Photography
糸島での滞在中に、モノクロフィルムで撮影し、暗室で伝統的なプリント技法を用いて制作した写真シリーズです。Jamiesonにとって、フィルム撮影も暗室プリントも今回が初めての試みです。
糸島で何度も出会ったという、「水の中にいるときのような、やわらかく穏やかな静けさ」を写真で捉えます。

Where the Stream Begins uses black-and-white film and traditional darkroom printing to search for a soft stillness similar to the feeling of being underwater.
13 Harrison Wyrick / ハリソン・ワイリック(USA)
“The Cold War, Aliens, and Dream Analyst – Scene 1” — Animation
Studio Kuraでの滞在中に制作した3本のアニメーションを発表します。作品のテーマは、暴力、愛、そしてユーモアです。
《The Cold War》は独立した短編作品として、《Aliens》と《Dream Analyst – Scene 1》は、それぞれより長い映像作品の一部として制作されています。

A collection of three animations made during Harrison’s stay at Studio Kura, exploring violence, love and humor.
糸島で生まれた13の視点を、同じ場所で
海や田んぼ、風や静けさ、民間伝承、都市の視覚文化、家族の記憶、そして新しい場所で過ごすことで生まれた変化。13名の作品はそれぞれ異なりながら、この夏の糸島という時間と場所を共有しています。
8月22日(土)14:30からは、アーティスト本人が制作や滞在について語るアーティストトークも行います。作品だけでなく、作品が生まれるまでの経験や考えにも触れられる機会です。
皆さまのご来場をお待ちしています。
