Fran Hayes

私のプラクティスはつかみどころがない。そのぬめりを帯びた表皮をしっかりとつかまなければならない。それは現実、デジタル、物質的な領域のあいだをするすると這い回り、時空を越えて種を蒔くのだ。

私のプラクティスは、オープンソースの3DモデリングソフトウェアであるBlenderを中心に展開しているが、そこからさらに執筆、彫刻、インスタレーションへと広がっていく。根本的に人間的な視点を通し、損なわれた生態系やサイエンス・フィクション、不気味さなどを探求する投機的な風景や没入型の環境を生み出している。

私が創造する世界/エンティティは、人類と地球を再び結びつけることを目指している。私のデジタル空間に登場する異界的な存在は、制作過程で出会う風景や感情を生々しく描写する文章表現と結びつきながら展開していく。

最近の展開を経て、私は「フィクショニング」(芸術的かつ学術的な視点で物語を紡ぐこと)を実践しているのだと気づいた。そして現在、私のプラクティスは私自身が「THICK SPACE(シック・スペース)」と呼ぶ投機的な空間に位置づけられている。THICK SPACEはあらゆる場所に存在し、想像しうる限界のさらに先へ、無限へと広がっていく。それは想像を絶するものであり、一種の最高水位線でもある。常に進化を続けているのだ。

Blenderは、このTHICK SPACEを調査し、探求し、理解するための私の主要なツールである。Blenderの中で私はデジタルの粘土を削り、形づくり、彫り上げることで、その正体が明確ではないシステムを生み出している。それらは生物であり、エンティティであり、生態系であり、世界であり、銀河であり、宇宙でもある。ハイブリッドであり合金でもある。そこにはヒエラルキーが存在せず、中立的だ。

私のプラクティスは漏れ出しやすく、物質的な空間にまで溢れ出す。借用や共有、コラボレーションは不可欠といってもいいほど重要だ。アートの膜は多孔質であるべきで、情報が双方向に行き来することで、あらゆる分野にわたる活動や手法を優しく包摂しながら発展させていくことができる。閉じたループの中では進展しにくいのだ。@_frangry_

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