マリー・シェルスノヴィッチ(Marie Szersnovicz) は、舞台芸術における舞台美術家・衣装デザイナーです。
ベルギーのブリュッセルとヘントを拠点に活動し、演劇、オペラ、コンテンポラリーダンスの分野で国内外の多くの演出家と継続的に協働しています。舞台装置やインスタレーションの制作を通じて現代美術にも強い関心を持ち、その活動はしばしばコレクティブ(共同制作)の形で行われ、作品のドラマトゥルギー(構成や物語性)の形成にも深く関わっています。
長年にわたり、プロフェッショナルな活動と並行して趣味として絵画制作を続けており、当初は大規模な抽象絵画を制作していました。2022年には、東京オペラでの7週間の仕事滞在中に感じた世界への驚きや魅了を記録するため、「Listed Diary(リスト形式の日記)」というプロジェクトを開始しました。この作品は、白黒のスケッチと俳句のように簡潔な文章を組み合わせた日記形式のシリーズです。
Studio Kuraでの滞在制作は、中・大サイズの絵画制作を本格的に発展させるための、新しく刺激的な機会となっています。
今回のプロジェクト 「The 5th Wall(第五の壁)」 は、一種の不条理な実験です。演劇が観客にフィクションを体験させる場であるならば、本来は二次元の平面に限定されている絵画は、技術的な実現可能性の制約から自由になった「拡張されたフィクション体験」を提供できるのではないか――という問いから生まれました。
この作品では、屋内と屋外の空間、想像された風景と実際に観察された風景が交差し、コラージュのような世界や、ありえない組み合わせによる新しい風景が生み出されます。舞台上で作り出されるイメージから借用した演劇的な美学は、現実世界の観察を取り込むことでさらに拡張されていきます。
それは、通常は閉ざされた「ブラックボックス」である劇場を、そこからはアクセスできない自然や現実世界へと開き、「触れることのできない現実」を呼び起こそうとする試みでもあります。
マリー・シェルスノヴィッチ(Marie Szersnovicz) は、舞台芸術における舞台美術家・衣装デザイナーです。




