Lynn Loo リン・ルー (シンガポール) 2016年10月~11月
Lynn Loo リン・ルーは、1997年に16ミリ映像作品の制作を開始し、その前はシンガポールで音楽を教えていました。シカゴ・アート・インスティチュートで実験映画について学んだ後、異なるイメージと音を使ったリズム感のある詩的なナレーションを探求した映像作品を制作発表しています。
映写機を使うプロジェクションパフォーマンスを2004年に始めアート作品としての映像制作を展開。ライブパフォーマンスとしての表現方法を含め、物質としてのアナログフィルムをあらゆる面で探求しています。作品は映像の時間や空間の途切れ、再考が含まれます。同様のアプローチでギャラリーインスタレーションを発表しています。
同時期にスタジオクラに滞在しているGuy Sherwin ガイ・シャーリンとともに制作活動を行い、ヨーロッパ、米国、アジアやオーストラリアなどで複数の映写機を使用したエクスパンデッド・シネマ(拡張映画)作品を発表してきました。その際、地元の即興音楽家とのコラボレーションを行ったものもあります。
リンは国際芸術祭での映像プログラムのキュレーションを担当するほか、これまで多くの映像ワークショップを行ってきました。またアーティストでありながら、英国にて映像アーカイブの保存および研究のスペシャリストとして働いています。
レジデンス期間中は、周辺の木々の葉についてリサーチしながら秋の色の変化をフィルムで捉えていきます。また、粘着性のある和紙(マスキングテープ)を直接手でフィルムに貼りつけイメージを作る抽象的な映像手法は彼女が制作展開している一つであり、この手法を使って新たな作品を制作していく予定です。
-リン・ルーとガイ・シャーリンはスタジオクラのAIRプログラム参加にあたり、グレイト・ブリテン・ササカワ財団より助成金を獲得しています。