Shana Pagano Lohrey

シャナはアーティスト兼イラストレーターです。多分野にわたるアプローチで、層をなす物語や探るような筆致、質感豊かな色彩を駆使し、既成の場を離れた感覚や驚きを作品に呼び起こします。 彼女は、観察した場所や物、いかにもありふれたもの、人間の物語の細部を丹念に選び取り変容させることで、〈学び〉の手段としてのドローイングと視覚言語のプロセスを探究し、見る人を架空の世界へ誘う “扉” を生み出しています。 Studio Kuraでの滞在中、シャナは「巨石的/巨視的な逍遙(megalithic & macroscopic meanderings)」をテーマに新しい作品群に着手する予定です。日本に滞在しているあいだ、重力式ダムや高架橋、成層火山といった壮大なスケールに感銘を受ける一方で、日常生活に絡み合う昆虫たちの小さくもどこにでもいる存在感にも目を留めました。夜の民話や、人から手渡された品々と併せて収集したこれら多様な “情報のポケット” を統合し、一連のドローイング作品へと昇華させたいと考えています。

Shana Pagano Lohrey

シャナはアーティスト兼イラストレーターです。彼女の多分野にわたるアプローチは、重層的な物語や探究的な筆致、質感豊かな色彩を通して、どことなく浮遊する場所や驚きを呼び起こします。 ドローイングと視覚言語のプロセスを学びの手段として探求しながら、彼女は場所や物、人間の物語が潜む一見何気ない出来事の細部を丁寧に選び取り、変換することで、思索のための架空世界への扉を開いています。 Studio Kuraでの滞在中、シャナは「巨石的かつマクロな逍遥」をテーマに、新たな作品群を立ち上げることを計画しています。日本では、重力式ダムや高架橋、成層火山といった巨大構造物のスケールに刺激を受ける一方で、日常に遍在する昆虫の小さな営みにも目を向けています。夜更けに聞いた民話や、手渡されたオブジェと組み合わせながら、彼女はこうした断片を連ね、一連のドローイングへと結晶させようとしています。 Shana is an Artist and illustrator. Her multidisciplinary approach explores layered narratives, searching marks and textural colours to […]

ジョージア出身のアーティストDea Khalvashi による滞在制作発表展「Patch (2025)」を開催します!

Studio Kuraは、ジョージア出身のアーティストDea Khalvashi による滞在制作発表展「Patch (2025)」を開催します! Deaが2ヶ月の滞在期間中に制作した作品を展示します。入場料は無料です。開催日時:4月26日(土)、27日(日)の11:00から17:00まで(26日(土)14:30時よりアーティストトークを行います。)ぜひこの機会にお越しください。 以下アーティストからのメッセージです。 こちら糸島では、大地は手入れや手作業、道具、機械、そして時間によって形作られています。 あなたが土地を大切にする姿を見て、私もやってみたいと思いました。 ささやかな修復が行われます——「パッチ作業」。丁寧に敷かれた芝生は、完全に修繕するわけでも、完全にその一部になるわけでもありません。 この人工芝の一片は、現地での探究の出発点となります。それは、アップグレードへの欲求やつながりへの希求、参加したいという思いから生まれたものであり、「問題のための解決策」を提案しつつ、最適化の美学を映し出しています。 Here, in Itoshima, the land is shaped by care, hands, tools, […]

Laura Edelbacher

ローラ・エーデルバッハーは、現在ウィーンを拠点に活動するフリーランスのイラストレーター兼デザイナーです。 ウィーンでグラフィックデザインを学んだ後、パリの国立高等装飾美術学校(ÉNSAD)およびハンブルク応用科学大学(HAW Hamburg)でイラストレーションを専攻し、修士号を取得しました。2015年から2019年にかけては、ドイツの『ZEITmagazin(Die ZEIT)』誌で毎週連載されるインフォグラフィックのコラムを担当。また、アーヘン大学にてインフォグラフィックに関する講演活動も行っています。 彼女のイラストは『ニューヨーカー』、『ニューヨーク・タイムズ』、Google、DKNYなどで取り上げられたほか、ハンブルク工芸美術館(Museum of Art and Design Hamburg)での展示会にも出展されています。また、エディトリアル・イラストレーションをはじめ、音楽関連のアートワークやミュージックビデオ、ブランディング、パッケージデザインなど幅広い分野で活動しています。 彼女の作品は、歪んだリアリズム(distorted-realist)でキッチュな作風が特徴で、60年代のデザイン、70年代のファッション、そして80年代のシンセポップへの愛情から影響を受けています。 Laura Edelbacher is a freelance illustrator and designer currently based in […]

Studio Kuraは、オランダ出身のアーティストPhilo Ouweleenによる滞在制作発表展「Free Flow」を開催します! Philoが1ヶ月の滞在期間中に制作した作品を展示します。入場料は無料です。開催日時:4月26日(土)、27日(日)の11:00から17:00まで(26日(土)14:30時よりアーティストトークを行います。)ぜひこの機会にお越しください。 以下アーティストからのメッセージです。 「Free Flow」では、創造性を自由に羽ばたかせたときに何が起こるかを探求します。今回のアーティスト・イン・レジデンスでは、事前に考えられたコンセプトや枠組みから制作するのではなく、「自由な流れ」の中で取り組みました。創造的な遊び心、オープンであること、そして好奇心が鍵となる要素です。 その結果として生まれたのは、絵画、ドローイング、コラージュ、写真を含む、多様な媒体や形式にわたる、色彩豊かで折衷的な一連の作品群です。繰り返し現れるテーマは、日本の田舎の日常に見られる美しさと魅力、そして神道です。 遊び心のある形式をとった、ある個人的で親密な作品は、私が慢性疾患を抱えながら生きていく上での現在進行形の葛藤を取り上げています。この傷つきやすい(※または、繊細な)テーマは、より普遍的な問題、すなわち「境界線を設けて自分自身を大切にする」という、非常に重要な実践にも触れています。架空の道路標識の形をしたこの絵画(人物が機能不全によって引き起こされる不便について謝罪しています)は、滞在中に私が出会った多くの標識から着想を得ています。それらの標識は、ささやかな写真コレクションとしても展示されています。 Philo Ouweleen Free Flow With ‘Free Flow’, I explore what happens when […]

Philo Ouweleen

フィロ・オウェレーン(1992年生まれ)は、オランダ・アムステルダム出身のビジュアルアーティスト、作家、日本学研究者です。 彼女のビジュアルスタイルは、日本の視覚文化(特に木版画や漫画)からの影響を受けた太く力強い(アウト)ラインと平面的な表現が特徴的です。フィロは自身の作品を「具象的でカラフル、そして親密なビジュアルストーリーテリング」と表現しており、絵画とドローイングの交差点に位置する作品を制作しています。 フィロは紙を支持体とし、グアッシュ、水彩、日本のマーカー、色鉛筆などを組み合わせたミクストメディアで制作を行います。日本や日本の視覚文化への関心は、作品の視覚面だけでなくテーマ面にも反映されています。また彼女は自身が描いたドローイングや絵画、写真などを再構成したコラージュ作品も手がけ、素材を重ね合わせることで新たな表現を生み出しています。近年は「瞑想的なドローイングとペインティング」と呼ぶ抽象表現にも取り組むようになりました。さらに執筆活動にもより多くの時間を割き、インスタグラムでは「Longcovidperikelen」というアカウント名で、長期的な病状(慢性疾患)に至った自身の体験をシェアしています。 フィロの作品は、これまで数々のギャラリーや展示スペースでの個展・グループ展で紹介されてきました。2020年には、2019年に滞在したアーティスト・イン・レジデンス「Artists’ Retreat No-Mu」(亀岡市)でのプロジェクトを元にしたアートブック『Stories from Kameoka』を自主出版しました。アムステルダム大学のVox-Popは、この本について「『Stories from Kameoka』においてフィロは、日本の象徴的な名所に焦点を当てるのではなく、地方の日常生活を親密で愛情に満ちた視点で描いている」と評しています。 日本学研究者としては、現在「Hotei Japanese Prints」というギャラリーに勤務し、日本の木版画のほか、挿絵本、漆芸、ブロンズなど多岐にわたる日本美術を扱っています。このギャラリーでは、ミュージアム向けに巡回展を企画し、カタログも制作しています。フィロは複数の著書に共著者として参加しており、2022年には『Shin Hanga: The New Prints of Japan 1900-1960』の執筆にも携わりました。 Philo Ouweleen […]

Sophie Potter

ソフィー・ポッター(1990年生まれ)はイギリス・ウェールズ出身のアーティスト兼イラストレーターです。 彼女の作品は、花や自然、有機的な形態といった身近な風景からインスピレーションを得て、鮮やかな色彩を用いたエネルギッシュで遊び心あふれるスタイルが特徴です。 また、彼女が日本で言語と文化を学んだ経験から、日本の郷土玩具や民藝運動(mingei folk art)に強く影響を受けています。 主な制作方法として、紙や合板を切り抜いたものにガッシュ、アクリル絵具、オイルパステルを用いて作品を描いています。 2018年以降、彼女はファインアートの制作活動と並行してフリーランスのイラストレーターとしても活躍しており、大型の壁画制作のほか、Tate、ウィンザー&ニュートン、チャプター・アーツ・センター、Made.comなど、多くのブランドや企業向けにイラスト、飲食品パッケージ、映像コンテンツなどを手がけています。 Sophie Potter (b.1990) is an Artist and Illustrator from Wales, UK. Her art practice centers […]

Isabella MacKirdy

イザベラ・マッカーディはオーストラリア・メルボルンを拠点に活動する独学のイラストレーターです。長年にわたりスタイルを確立してきた彼女は、当初は紙にグラファイト(鉛筆)を用いていましたが、その後インクを経て、現在では色鉛筆を主な画材として制作しています。 イザベラが興味を持つのは日常に存在するものたちで、とりわけ見落とされたり捨てられたりした物から、頼りにされ愛され続けている物まで様々です。彼女は、そうした物と、それらが属する(あるいはかつて属していた)人々や場所とのつながりを探求しています。細やかな構図とイラストレーションを通じて、これらの物たちがいかにアイデンティティや個性、人、場所についての物語を語るかというテーマを深く掘り下げています。 2017年からはデザイン業と並行して独立したイラストレーターとして活動を続けています。これまで複数のグループ展に参加し、2024年にはJohn Shaw Neilsen Acquisitive Art Prize(ジョン・ショー・ニールセン美術買上賞)を受賞しました。 Isabella MacKirdy is a self-taught illustrator based in Melbourne, Australia. She has developed her […]

Texas Nixon-Kain and Niki Verrall

テキサス・ニクソン=ケイン(Texas Nixon-Kain、she/they)とニキ・ヴェラル(Niki Verrall、she/her)は、オーストラリアのナーム(メルボルン)を拠点に、ダンスやミクストメディア、パフォーマンスを用いて共同制作を行う新進気鋭のアーティストです。二人は身体、想像力、そしてモノを媒体として、知覚や存在の再構築に関心を寄せています。また、互いの個人的な文脈が絶えず変化していく中で、コラボレーションや共有する身体知を探求しています。 テキサスとニキは2021年から共同制作を開始し、それぞれがアンジェラ・ゴー、レベッカ・ジェンセン、アイヴィー・ウォーン、サラ・エイケンなど、他のアーティストの作品にも参加しています。パフォーマーとしては、メルボルン・フリンジ・フェスティバル、ラ・プラス・ド・ラ・ダンス・トゥールーズ、ライブワークス・フェスティバル、キャリッジワークス、セメンタ22、シドニー・フェスティバル、ナウ・オア・ネバー・フェスティバル2024、オーストラリア国立美術館、ニューサウスウェールズ州立美術館、ビビッド・シドニー、ピッチ・ミュージック・フェスティバルなど、オーストラリア国内外の様々なアートスペースで公演を行っています。 テキサスとニキは最近、イアン・ポッター文化信託基金(Ian Potter Cultural Trust)の奨学金を受賞し、2025年には日本のDance Base Yokohamaとスタジオクラでアーティスト・イン・レジデンスを行う予定です。 二人は共にシドニー・ダンス・カンパニーのプレ・プロフェッショナル・イヤー・プログラムを修了し、2021年にコンテンポラリーダンスの上級ディプロマを取得しました。 Texas Nixon-Kain (she/they) and Niki Verrall (she/her) are emerging artists working […]

Dea Khalvashi

Deaの作品は、デジタル技術が場所やアイデンティティ、そして敬虔さをどのように形成しているかを探求しています。彼女は作品を制作する場所に根ざした「イン・シチュ(現場主義)」の実践として、繰り返し(イテレーション)を方法論に取り入れることで、テクノロジーと物理的空間との間に存在する微妙な関係性を明らかにしていきます。その結果、デジタルイメージ、光、音、見つけたオブジェなど、さまざまなメディアを融合したインスタレーション作品が生まれます。 また、自身の移動や故郷からの離散の経験は、移動性や伝統、変化によって残される痕跡に関する彼女の物語形成に深く影響を与えており、「つながり続けたい」という願いを形作っています。 Dea’s work explores how digital technology shapes place, identity, and piety. As an In Situ practice, she uses iteration as […]